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- 第8回 ゼラチン・アガー・寒天の特長と使い方
気温が上がり、暑くなってくるこれからの季節、ゼリーやムースなどの冷たいお菓子が活躍しますよね。
冷たいお菓子の「ひんやり・つるん」とした食感に欠かせないのが凝固材です。ゼラチンやアガー、寒天…それぞれの違いや特徴をお伝えします。
ゼラチン <使用用途:ゼリー、プリン、ムース など>
ゼラチンの良さは何と言っても、その口溶けの良さにあります。ゼラチンの溶ける温度が体温よりも低いため、舌の上で溶け、つるりと飲み込むことができるのです。
主な原料は牛や豚などの動物の皮や骨で、シートタイプの板ゼラチンと粉末タイプの粉ゼラチンがあります。
板ゼラチンは冷水でふやかし、水気を切ってから使用します。粉ゼラチンはゼラチンの4〜5倍の水の中に振り入れ、ふやけたものを湯煎や温めた液体に加えて、溶かして使用します。
マンゴープリン
アガー <使用用途:ゼリー、プリン、水ようかん など>
カラギーナン(海藻の抽出物)、ローストビーンガム(マメ科の種子の抽出物)などを混合したゲル化剤のことで、粉末状になっています。
ゼラチンや寒天と比べて最も透明感が高く、美しい光沢があり、やわらかくプルプルとした食感。無味無臭なので、どんな素材でも風味を生かすことができます。
そのまま液体に加えるとダマになりやすいので、材料のグラニュー糖の一部などとよく混ぜてから少しずつ加えていきましょう。溶解温度は90℃以上、常温で固まり、凝固後の溶解温度は60℃以上です。
ローズヒップゼリー
寒天 <使用用途:ようかん、杏仁豆腐、ところてん など>
テングサやオゴノリなどの海草類が原料で、粉末や棒状の角寒天、糸状など数種類の形状があり、ご家庭などでは主に粉末寒天や角寒天を用いることが多いです。
ゼラチンやアガーに比べて最も凝固力が高く、わずか3gで1リットルの水を固めることができます。透明感や弾力がほとんどないので、口の中でサクッ、ホロッと崩れる食感が特徴です。
成分の80%が食物繊維で、人間の消化酵素では消化・吸収されないため、腸内で脂肪吸収を妨害して一緒に排泄し、血圧降下作用やコレステロール低下作用があると言われています。
粉末寒天は水に入れてすぐに加熱して溶かすことができて便利。角寒天は水につけて1〜10時間ふやかし、水分を絞って細かくちぎってから煮た後、裏ごしします。
溶解温度は90℃以上、常温で固まり、凝固後の溶解温度も70℃以上と高温です。
杏仁豆腐
同じジュースを固めるのも凝固剤を変えるだけで全く違った食感になります。
用途やお好み、季節に合わせて色々楽しんでくださいね。
さっそくチャレンジ! ―出雲ハルも試してみました―
「成分の約80%が食物繊維で、人間の消化酵素では消化・吸収されないため、腸内で脂肪吸収を妨害して一緒に排泄し、血圧降下作用やコレステロール低下作用があると言われています」と木村マイスターから教わって、さっそく、今日の夕飯のデザートに寒天を使用
ご飯を作るのも食べるのも大好きな私自身はもちろん、ちょっとお腹周りが気になっているパパのためにも、寒天デザートはいいですね!
今日はお家にあった100%果汁のオレンジジュースとグレープフルーツジュースで、2色のゼリーに。子どもたちにも大好評でした。次はゼラチンやアガーで作ってみて、パパと子どもたちに好みのかたさや食感を聞いてみようかな。
皆さんも、手軽でヘルシーなデザート作りに挑戦してみませんか!?
木村 幸子マイスター
・青山と大阪市内で洋菓子教室トロワ・スール主宰。
・TV、雑誌、WEBにて出演、レシピ提案、企業へのレシピ提供、商品開発などを行う。
・洋菓子に関わるイベントの企画・催行・出店等を行う。2012年ギネス世界記録のお菓子を製作。
・最新著書は『3・5・7ステップでできる!憧れのゴージャスチョコレシピ』
洋菓子教室トロワ・スール:http://www012.upp.so-net.ne.jp/Torowa-sure/main.html
ブログ: http://ameblo.jp/troissoeurs/
Facebook:https://www.facebook.com/sachiko.kimura916